【書評】『疑う力 「常識」の99%はウソである』堀江 貴文著

はじめに

『疑う力 「常識」の99%はウソである』堀江 貴文著を読みましたので、書評を記事にしたいと思います。

昨今、ネット上の溢れる情報を鵜呑みにして、特定の対象を攻撃したりする事例が増えているように感じます。

また、仕事や家庭では、指示待ち人間と呼ばれるような「ただ言われたことだけをする人」が増えているように思います。

今まで当たり前と思ってきた常識や慣例などに、ふと疑問を持つことでより深く物事の意味を考えたり、無駄を発見するきっかけにすることができるのではないでしょうか。

書籍

紹介する本は、宝島社『疑う力 「常識」の99%はウソである』堀江 貴文著です。2019年4月に出版されています。

著者について、簡単に説明します。

堀江 貴文(ほりえ たかふみ) 

1972年、福岡県八女市生まれ。 実業家。 SNS media & consulting株式会社ファウンダー。 現在は宇宙ロケット開発やスマホアプリのプロデュースなど、幅広く活動を展開。 有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」の読者は2万人を超え、2014年には会員制のオンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」を設立。 近著に『多動力』(幻冬舎)、『10年後の仕事図鑑』(SBクリエイティブ/落合陽一氏との共著)、『バカとつき合うな』(徳間書店/西野亮廣氏との共著)、『疑う力』(宝島社)など多数。

https://tkj.jp/book/?cd=TD293695

プロフィールには、記載されていませんでしたが、東大中退されており、頭が良いことでも知られています。

書評

それでは、書評に入りたいと思います。

著書全体を通して、テレビやインターネットで見る著者のイメージと同じように、歯切れの良い主張が述べられており、主張自体は理解しやすいと思います。

ただ、著書のタイトル通り、著者の主張自体も疑う視点が必要なのだろうと思います。

著者は、著書のなかで「サイレントマジョリティー」と「ノイジーマイノリティ」という言葉を使っていました。

サイレント・マジョリティ(: silent majority)とは、「静かな大衆」あるいは「物言わぬ多数派」という意味で、積極的な発言行為をしない一般大衆のことである。

出展:weblio辞書

ノイジー・マイノリティ
派閥の中で、決して多数派ではないものの、声高主張繰り返すことで大いに目立ち、印象残りやすい派。

出展:weblio辞書

つまりは、世の中の大半の人が賛成している意見があっても、その人たちの多くは当たり前だと思って、あえて意見を表立って主張しない。
また、世の中の少数の人が反対している意見については、その人たちが盛んに意見を主張する。

このような場合が、サイレントマジョリティーとノイジーマイノリティーと言われ、無知な人が賛否を判断する場合には、世の中の多数が否定的な意見を持っていると一見認識してしまうという側面がある。

この時に重要なのが、著者が主張している「疑う力」なのだと思う。

暗黙の「謎ルール」をどんどん厳しくしていけば、その先に待ち受けているのは閉塞感に満ちた「生きづらい社会」だ。

『疑う力 「常識」の99%はウソである』堀江 貴文著 p182

確かに、この意見は一理あると感じた。

新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、自粛要請や飲食店の時短営業、在宅勤務の推奨、緊急事態宣言、など国内や各地域の感染状況に応じて、日本全体や都道府県ごとにルールが設けられた。

このルールに関しては、新型コロナウイルス感染拡大防止を最優先となる中で有効であり、否定するつもりはない。

しかし、新しいルールができることで、それが当然のことながら制約となり、その制約によって生きづらさを感じる場面が増えていることもまた事実である。

休日に出かけたり、趣味に興じることができなくなる、職場ではこれまで通りのコミュニケーションができず、ストレスを感じる。

このような状況が続く期間が一時的であれば、各個人の許容範囲内で生きづらさを解消することもできると思う。

しかし、半年、一年と継続すると、この生きづらさを抱え続けたまま生活することとなり、精神的に疲弊してしまう。

私は、この生きづらさを解消するテクノロジーこそが、人類に役立ち、社会に貢献できるものであると感じる。

人の思いやりも確かに、生きづらさを一時は忘れさせてくれるだろう。

しかし、みんなが各々制約を課された状況下では、これもそう長くは続かない。

気持ちを晴れやかにしてくれる自然に触れることも良いだろう。

しかし、外出しづらい状況下では、これもまた難しい。

そんな制約の多い中で、いくつもの制約を満たしながら生きづらさを解消してくれる製品やサービスが、withコロナ時代のキラーアプリやキラーコンテンツとなると思われる。

今はスピードと、アイデアを実行する力で勝負する時代なのだ。

『疑う力 「常識」の99%はウソである』堀江 貴文著  p206

少し前までは、アイディアの質や効果によって優位性を担保出来ていた時代だと思います。

例えば、画期的な技術や優れたビジネスモデルのアイディアを特許によって知財化してしまい、参入障壁を高くする。

これにより、特定の市場シェアを確保したり、ブルーオーシャン化することができていました。

しかし、最近はOSS(Open Source Software)や産学連携やパテントプールといったように優れた技術やアイディアを世の中に公開もしくは限定公開して共有する時代です。

加えて、インターネットやSNSの普及による情報流通の量と速度が増加し、情報格差も減少しています。

したがって、特定の企業や個人が考えた技術やアイディアを独占することが難しく、仮に知財化したとしてもすぐに類似技術や類似製品が市場に出現し、シェアを確保し続けることが難しいように思います。

そんな中で競争力となるのがスピードと実行力と著者は述べています。

優れたアイディアはすぐに実現し、世の中にリリースしていく。

そして、その過程や結果で得られたノウハウやリソース(収益)を活用しながら、次の技術開発やアイディアを創出して、これもまたすぐに実現していく。

この繰り返しを継続し続けることこそが、これからの時代の競争力になるのだろうと思います。

現在の出版業界では、日販やトーハン、大阪栗田といった取次(本や雑誌の問屋)が本の流通を管理している。業界には再販制(再販売価格維持制度)というルールがあり、本は低下よりも安くすること(=割引セール)が許されない。

『疑う力 「常識」の99%はウソである』堀江 貴文著 p211,212

これについては、気になったので別記事で調べてみたいと思います。

アマゾンは、リアル書店と同様に、取次を通して本を発注してきた。そのせいで、商品が客の手元に届くまでに2週間、3週間ものタイムラグが発生してしまう。在庫の有無さえわからないまま時間だけが経過すれば、アマゾンに「在庫切れ」という情けない表示が出たままになる。
こうした事態を避け、「いつでも店頭に商品が並んでいる状態」をつくるために、アマゾンは取次を通さず、出版社と直接取引きすると宣言した。

『疑う力 「常識」の99%はウソである』堀江 貴文著 p212

確かに、アマゾンで書籍を購入する際、人気商品や絶版の書籍を除けば、在庫切れ表示を見ることはなくなった。最近は、人気商品ですら書籍は在庫が十分にある印象がある。

「常識」はいつだって、僕たちの自由な発送を縛ろうとする。この事実をスルーしてはいけない。鈍感になってはいけない。

『疑う力 「常識」の99%はウソである』堀江 貴文著 p222

常識は、暗黙のルールであり、この目に見えないルールによって、自分自身を縛り付けていることによって、自ら生きづらい人生を手繰り寄せているように感じる節が少なからずあるのではないかと感じた。

新型コロナウイルス禍で以前よりも制約が多い世の中だからこそ、それ以前にあった常識というルールを少しでも解き放ち、少しでも自由な人生を主体的に送るという意識を持つことが重要なのだろうと感じた。

まとめ

話し口調で書かれており読みやすく、書籍には、義務感やその解決方法となる考え方の具体例や書き込み式ページがたくさん用意されています。
興味がある方はぜひ読んで見てください。

▼購入リンク▼

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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